月経不順・月経以外の出血(不正出血)

月経不順

月経周期は人によって若干異なりますが、約1ヵ月のサイクルで繰り返されているのが一般的です。正常な月経周期は2538日ごとでそれ以外は月経周期異常(月経不順)と診断されます。周期のズレは6日以内、期間が37日のものの場合、正常な生理だと判断されます。

原因

原因は多岐にわたりますが、中でも多いのが「ホルモンバランスの乱れ」によるものです。月経は本来、卵胞ホルモンと黄体ホルモンという女性ホルモンによって、調整されています。これら女性ホルモンの分泌は、脳視床下部と脳下垂体、卵巣の3つの器官が連携し合うことで正常に機能します。

これらのうち、1つだけでも上手く機能しなくなると、生理が開始されなかったり、周期が乱れたりといったトラブルが起こりやすくなります。

脳視床下部は、ストレスの影響を大きく受ける器官です。家庭や職場、学校などでの精神的ストレスを抱え続けると視床下部の働きが乱され、ホルモンバランスが崩れてしまいます。

また、激しい運動、過度なダイエットも、月経不順を引き起こす原因になります。

月経不順は一時的なものや様子をみてよいものもありますが、何か病気が隠れている場合もあり、出血の色や量では区別は難しいと思います。問題ないかもしれない、という場合でも自己判断せず、異常を感じたら病院にいらしてください。

カレンダー

種類

稀発月経

月経周期が39日以上になってしまう状態です。少しずつ周期が長くなるケースもあれば、急に周期が長くなるケースもあります。卵巣機能が不十分で、ホルモンが正常に分泌されていないことが原因です。

無排卵のケースもあるため、現在妊娠を希望されている方は、お早めに当院を受診してください。

頻発月経

月経周期が24日以下になる状態です、周期が短くなることで、1か月の間に2回生理が来てしまう方もいます。
卵巣機能の不十分さによってホルモンバランスが乱れ、発症することが多いとされています。

過長月経

生理の期間が長く、8日以上続いてしまう状態です。脳視床下部や脳下垂体、卵巣のいずれかに問題が発生し、無排卵周期や黄体ホルモンの分泌不十分などが起きることで発症するとされています。また、子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜ポリープなどの病気が原因のこともあります。

過短月経

月経の期間が2日以内に終わってしまう状態です。
「過少月経」と一緒に発症しているケースが多いと言われています。

女性ホルモンの分泌量不足による子宮内膜の厚さ不足、子宮の発育不全などが原因だと考えられています。

更年期前の月経不順

女性は35歳前後から、少しずつ卵巣機能が衰え始めます。生理周期の乱れ・経血量の減少がある場合、身体が閉経に向けて準備している可能性があります。この場合は病的ではありません。40歳未満で自然閉経する早発閉経の場合は将来の骨粗鬆症予防のため、女性ホルモンの不足分を補給する「ホルモン補充療法」を選択します。
また、月経不順だと思っていたら、悪性だったということも少なくありません。自己判断せず、受診されることをお勧めします。

基礎体温表

基礎体温

女性の基礎体温は、排卵のタイミングの前後で変わり、「低温期」と「高温期」があります。

基礎体温を測定すると、排卵がきちんと発生されているか、生理のタイミングはいつ頃になるのかといった情報をある程度把握することができます。低温期と高温期に分けられない場合は、排卵が行われていない可能性が考えられます。

基礎体温を計測・記録すると、「ご自身の身体のリズムが把握できる」というメリットを得ることができます。特に現在妊娠をご希望のかたは基礎体温表をつけることをお勧めします。

不正出血

不正出血とは

一般に月経時以外の性器出血は異常で、「不正出血」と呼ばれています。原因は数多くありますが、まずは妊娠しているかどうかが重要です。妊娠初期は正常妊娠でも異常妊娠でも出血することがあります。妊娠の可能性が少しでもある方はまずは市販の妊娠反応をすることをお勧めします。

種類と原因

器質性出血

膣や子宮、卵巣などに何らかの疾患がある時に起こる出血です。
代表的な疾患としては、子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮膣部びらん、膣炎、子宮頸管ポリープ、子宮頸がん、子宮体がんなどが挙げられます。
特に膣炎や子宮頸管ポリープなどを発症していると、性交時に出血が起こりやすくなります。

機能性出血(非器質性出血)

器質性出血以外のすべての不正出血のことを指します。排卵障害、子宮内膜機能異常、凝固異常、医原性(がん検診後の出血)などがあります。

 1)排卵障害による出血
ホルモンバランスが不安定な、思春期や更年期に多くみられるタイプです。ダラダラと出血が長引く無排卵月経や、生理前に少量の出血が続く黄体機能不全などがあり、脳下垂体や卵巣など、ホルモンの分泌に関与している器官の機能が衰えるなどのトラブルが原因で発症します。

2)子宮内膜機能異常
例えば、月経と月経の間の排卵期に、卵胞ホルモンの分泌が一時的に下がることで発生する「中間期出血」がこれにあたります。病気ではありませんのでご安心ください。心配な時は基礎体温を測り、出血の時期をチェックしてみましょう。排卵の時期にいつも出血するのでしたら、中間期出血である可能性が高いです。

 

3)凝固異常

出血しやすい体質や疾患がある場合です。子供のころから採血の血がとまりにくい、内出血しやすいなどのと特徴があります。

 

4)医原性 
子宮がん検診後の出血がこれにあたります。自然に止血されることがほとんどです。

 

5)そのほか

性行為後、膣の一部が傷ついて出血することがあります


治療

重篤な疾患が隠れている可能性も

不正出血は、子宮がんなど命に関わる重篤な疾患が隠れている危険性もあります。
不正出血が見られた際は自己判断せず、お早めに当院までご相談ください。

原因によって検査内容は異なります

診察室疑われる疾患によって、検査内容は異なります。一度の検査で異常が発見されず不正出血を何度も繰り返している場合は、ごく初期の疾患が隠れている可能性も考えられます。検査を繰り返し行ったり以前の検査所見と比べたりすることで、診断できる可能性もありますので、定期的に通院を続けることで様子を見てきましょう。

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